特集Ver.6「パリ五輪目前企画」24年7月号

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全日本不動産協会会員の不動産業者に向けた専門誌の記事を一般個人向けにわかりやすく要約し直して、ブログにしています。

 

 

 

文化とスポーツとSDGsと 多世代が活躍する 持続可能なまちづくりに挑む

 

 

~神奈川県川崎市 ストリートカルチャーの発信地として~

 

 

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【ストリートから生まれた 「ブレイキン」】

 

この7月に開催されるパリ2024オリンピックでは、

新種目「ブレイキン」が注目されています。

 

日本では「ブレイクダンス」として知られ、

ヒップホップカルチャーにルーツを持ち、

1970年代のニューヨークで生まれました。

 

当初はダンスとして始まりましたが、

技術や表現力を競う競技に進化。

 

MCが進行役を務め、DJの音楽に合わせてダンサーが即興でアクロバティックな動きを披露し、

技術や表現力、音楽性を総合的に評価されます。

 

今回のパリ五輪で初めてブレイキンを知った方も多いかもしれませんが、

日本はこの競技の強豪国です。

 

男女ともに金メダルが期待される選手が多くいます。

 

そして、そんな選手たちが集結するのが、ブレイキンの聖地ともいわれる川崎です。

 

 

【ブレイキンの聖地・溝の口】

 

ブレイキンと川崎市のつながりは深く、

約30年前、JR武蔵溝ノ口駅の改札前でダンサーたちが練習を始めたことから、

川崎市とブレイキンのつながりが生まれました。

 

多くの若者が集まり、ここから世界的なダンサーも誕生し、

武蔵溝ノ口駅前はブレイキンの聖地と呼ばれるようになりました。

 

ダンサーたちは公共の場である改札前で、

ルールを作り人通りの少ない時間帯に踊り、

音量に気をつけるなどしていました。

 

そのため、街の人々も次第にそれを「当たり前の光景」と受け入れていったのです。

 

川崎市市民文化局の石床高志さんによると、

ブレイキンと市のつながりは、

プレイヤーのリーダーである石川勝之さん(KATSUONE)が

「行政と何かできないか」と声をかけたことがきっかけでした。

 

石川さんは数々の国際大会で優勝し、日本のブレイキン界を牽引する人物です。

 

川崎市では、若者のカルチャーが自然発生的に生まれていることに気づき、

東京オリンピックでのスケートボードの新種目採用をきっかけに、

オリパラ推進担当がストリートカルチャーへの支援を始めました。

 

 

 

【若者文化に対する行政の取り組み】

 

① 世界的フェスや大会のサポート

 

川崎市は、世界的な大会の誘致と運営サポートを行っています。

 

今夏にはジャンプロープのアジア選手権が開催され、

さまざまな国内外の大会も川崎市で行われています。

 

毎年秋には、「ISF KAWASAKI(インターナショナル ストリート フェスティバル カワサキ)」が開催されます。

 

このフェスでは、ブレイキンの国際大会やダブルダッチの大会、

BMXやスケートボードの体験会、

アーティストのライブペイントなど、

ストリートカルチャーを楽しめます。

 

ISF KAWASAKIは実行委員会が主催し、

川崎市が共催しています。

 

さらに、商工会議所や観光協会、商店街連合会なども支援しています。

 

石床さんは「ISF KAWASAKIは市民に

ストリートカルチャーやスポーツを身近に感じてもらう場であり、

参加者には良い交流の場になっています」と語ります。

 

その他にも、市内各所でスケートボードやBMX、

ヒップホップダンスなどの体験会を開催し、若者文化を広めています。

 

② 若者文化の発信拠点を整備

 

「カワサキ文化会館」が誕生しました。

 

鉄道会社所有の空きビルが2025年まで無償で市に貸与され、

若者文化の発信拠点として改装されました。

 

プロバスケットボールチーム「川崎ブレイブサンダース」が運営しています。

 

会館には、3×3バスケットやスケートボードが体験できる

コートとダンススタジオがあります。

 

ブレイキンやダブルダッチの教室は世界チャンピオンが講師を務めており、好評です。

 

「スケートボードやブレイキンが五輪種目になり、注目が集まりました。

川崎市では、プレイヤーを主役に、行政は支える側として関わり、

ストリートカルチャーを広げていきます」と石床さんは語ります。

 

川崎市は、ストリートカルチャーの発展をサポートし、

地域に新たな文化をもたらし続けています。

 

 

【川崎フロンターレとの連携】

 

川崎市を語るうえで、プロスポーツ、

特にプロサッカークラブ「川崎フロンターレ」の活動は外せません。

 

フロンターレは、「SDGs」という言葉が広まる前から地域に根差し、

市民を巻き込んだ企画で定評があります。

 

市民スポーツ室「スポーツのまちづくり」担当課長の片倉哲史さんは、

「川崎は“プロスポーツが根付かないまち”といわれてきました」と語ります。

 

サッカーチームのヴェルディ川崎や野球のロッテオリオンズ、

大洋ホエールズが市外に移った歴史があります。

 

そんな中、Jリーグ後発組として誕生したのが川崎フロンターレで、

最初から「地域に根差したクラブ」を目指していました。

 

片倉さんは、「JFL時代から商店街へのあいさつ回りを続け、

市民との距離を縮めました」と話します。

 

強豪クラブとなった今でも、この取り組みは続けられています。

 

フロンターレの活動は多岐にわたります。

 

市内小学校に「川崎フロンターレ算数ドリル」を配付し、

実践学習を行っています。

 

また、選手が水色のサンタクロースとなり小児科病棟を慰問したり、

「多摩川“エコ”ラシコ」と題して市や国交省と共催で清掃活動を行ったり、

川崎浴場組合連合会と協力して銭湯の魅力を伝える

「いっしょにおフロんた~れ」を実施したりしています。

 

 

【川崎フロンターレと行政の結びつき】

 

「献血や火災予防、薬物乱用防止などの啓発ポスターは、

見てもらわなければ意味がありません。

行政が作るとお堅いものになりがちですが、

フロンターレの選手がポスターに参加してくれることで注目度が高まります」

と市民スポーツ室「スポーツのまちづくり」担当課長の片倉哲史さんは話します。

 

発信力のあるサッカークラブが行政と協力することで、

できることは数多くあります。

 

現在では、市の他部署から「フロンターレに協力してもらえないか」

「チームマスコットに来てもらえないか」といった相談が増えています。

 

市民スポーツ室にはフロンターレ専任の職員がおり、

2週間に一度クラブとの定例会を開いています。

 

市とクラブがいかに強く結びつき、協力しているかがわかります。

 

クラブとしても地域との絆を深めることが安定したクラブ運営に寄与すると考えています。

 

今や常に優勝争いをする強豪クラブとなったフロンターレですが、

いつも勝てるとは限りません。

 

そんな時にクラブを支えてくれるのが地元のサポーターたちです。

 

そのため、新しくチームに加入する選手には、

地域貢献活動への参加の理解を求め、徹底して地域を大事にしています。

 

 

【かわさきスポーツパートナー】

 

川崎フロンターレの取り組みをモデルに、

他のスポーツチームとの連携も進んでいます。

 

それが「かわさきスポーツパートナー」です。

 

片倉哲史さんによると、

「市では、誰もがスポーツを楽しめる“スポーツのまち・かわさき”を目指しており、

競技の普及やスポーツ推進、

ホームタウンスポーツの活性化に貢献する役割を担う6チームが認定されています」とのことです。

 

メンバーには、川崎フロンターレ、

川崎ブレイブサンダース、富士通フロンティアーズ、

富士通レッドウェーブ、NECレッドロケッツ川崎、

東芝ブレイブアレウスが含まれます。

 

これらのチームは、

「ボールゲームフェスタ」や「ふれあいスポーツ教室」などを通じて、

地域の子どもたちと触れ合い、

“スポーツのまち・かわさき”の推進に貢献しています。

 

 

片倉さんは、「フロンターレは6チームの長男のような存在で、

他のチームも快く協力してくれています。

今後も、まちに根付いた文化やスポーツを通じて、市民に川崎市をもっと好きになってもらいたい」と語っています。

 

 

月刊不動産2024年7月号より抜粋・編集したものです。

 

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筆者:大脇和彦プロフィール
愛媛県松山市生まれ マンションデベロッパー、会計事務所を歴して独立 不動産コンサルティングとエージェント業務が主体。近年は太陽光発電所開発運営も 趣味は、土地巡り・街巡り・山巡りを兼ねたドライブ(得意笑)、筋トレ(昔はオタク) 好きなこと言葉・・・積小為大、虚心坦懐